りょくけん東京

りょくけんだより
りょくけんだより~ BLOG ~

”店内で、一から手作り。” ということ。

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たくさんの惣菜屋さんが乱立し、「○○のサラダ、出来立てで~す」と連呼される中、あまり知られていないことですが、お店の厨房で、本当に「作る」という作業をする惣菜屋さんは稀だったりします。ほぼ100%のメーカーさんが、工場=セントラルキッチンを持っていて、洗浄やカット、調味などの第一次加工を済ませて、袋詰めになったいくつかの部品を、店内でアルバイトさんが仕上げることが多いのです。

それは実に優れたシステムで、ファミリーレストランやファーストフード店を例に出すまでもなく、店内の調理場スペースを少なくでき、水道光熱費が削減できます。何より、専門技術を持つ調理のプロを雇用しなくて良い、という利点があります。コストを下げて、比較的手ごろなお値段で、お客様に料理を提供できるというメリットにつながります。

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ところが、りょくけんではそうは行きません。 遅れていると言っても良いかもしれません。できない理由はいくつかありますが、主な理由を挙げるとすれば、次の二つでしょう。

①添加物を使わない

②契約栽培の野菜だけを使用

添加物はほとんど使っていません。”ほとんど”、というのは、使っていないつもりでいても、調味料に入っていたり、加工工程に使われていたりして、私たちが意図していないところで、”時々”入ってしまっているからです。

過去の例としては、油がありました。油を菜種などから絞る際に、ヘキサンという物質を使うと、植物から、よりたくさんの油分を絞り取ることができます。それは私も知っていたので、気をつけていたのですが、もうひとつ、「消泡剤」と言うものを使います。これは、油を絞る際に出る泡を抑え、やはり絞り取る量を増やす薬剤です。これらの添加物は、キャリーオーバーとか、加工助剤と言って、蒸発したりして、油には残らないから、という理由で、原材料に表示されません。それを知って、いくつもの油の業者に当たり、今は、愛知県の太田油脂さんというメーカーさんに特注し、オーストラリア産の非遺伝子組み換えの菜種を使い、ヘキサンやグリセリン(消泡剤)を使わない油を作っていただいています。弊社のように小さな会社に、このように特別にご対応いただけるメーカーさんはなかなか無いので、本当に感謝しなくてはいけませんね。

ちなみに。よくスタッフの方にも質問されるので付け加えておくと、この菜種を、仮に国産のものに切り替えますと、油代は10倍に跳ね上がります。

このほか、現在確認できているものでは、モッツァレッラチーズに添加物が使われています。こちらも日本では表示しなくて良いことになっており、完全に見落としていましたし、勉強不足でした。レンネットという凝固剤で、仔牛の第四の胃から採取される酵素の一種です。水牛の乳を煮詰めていく過程で、レンネットを加えることで、凝固が始まり、あの独特の食感が生み出されます。これについては、かなり悩みましたが、油についてのヘキサンやグリセリンとは性質が違うと考え、ベジデリカの原料として使って良いことにしました。もともと天然由来のものであり(そのせいで仔牛がと殺されることを考えるとかわいそうですが)、砂糖や塩と同じ次元のものであると思います。

お話が少しずれてしまいました。いわゆる食品添加物の代表的なもの=保存料、合成着色料は全く使っていません。また各メーカーが保存料の代わりに使うようになったpH調整剤や、酸化防止剤なども使いません。なぜ店内調理でなくてはいけないか、の理由はここにあります。りょくけんのベジデリカは、日持ちがしないのです。このため、工場で作ったものを運び入れるタイムロスが、とれない。店内で作ってすぐにお客様に提供しなくてはいけないわけです。これが一つ目の理由です。

もうひとつは、契約農家の野菜だけ、というと、とっても良いことに聞こえるのですが、実はとっても難しいことなのです。契約していた農家さんのところに台風が来れば、そのシーズンまるまる、その野菜が使えなくなってしまいます。また、農家さんも僕も人間なので、手配を忘れたりします。。。そういった欠品への柔軟で迅速な対応には、優れた調理スタッフが各店にいることがベストなのです(良く怒られてしまいますが)。

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全国各地の農家さんの畑で収穫されたものが、直接お店に届き、洗い、切って、加熱したり和えたり調理して、盛りつけて、やっとお店に並びます。

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人から人へ。

そんな安心も、りょくけんベジデリカの美味しさを引き立てているのかもしれませんね。

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