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大雪かぼちゃ。一株一果の贅沢。

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かぼちゃには、バラツキがある。

かぼちゃはウリ科に属し、つる性の植物だ。一般的には、一株から3~4玉のかぼちゃを収穫する。一株から2本のつるを伸ばし、それぞれのつるに、2玉ずつのかぼちゃをならす。花が落ちて実を結んでから収穫まで40~60日間かかるので、1玉くらいは病気にやられたり、鹿に食べられたりする。それを補完するために、伸びたつるの先のほうに結実させ、それを育てたりもする。「二番果」とも言う。こうして、二番果もふくめ、3~4玉のかぼちゃを収穫するわけだ。

ところが、栄養が偏りやすく、品質にバラツキが出てしまう。二番果を混ぜれば、なおさらだ。

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これを解決するために、考えられたのが、一株一果の仕立てである。一株から一本のつるを伸ばし、一玉だけを育てる。栄養が一玉に集中するので、味のバラツキを少なくできる。まるで高級メロンのような栽培方法。剪定や仕立てるのも大変だが、収穫量も落ちるので、当初、栽培してくれる農家さんを募り、説得するのが、大変だったと聞く。結論を言えば、出来上がりの食味が歴然と違うので、その気になってくださり、今では70件ほどの農家さんが、りょくけんの大雪かぼちゃを育ててくれている。産地を北海道の新十津川町から士別までをリレーすることによって、長期の供給期間を可能にしている。廣田さん、浅川さん、岡田さん、山崎さん、西川さん 他。考えてみれば、りょくけんの名だたる生産者ばかりが名を連ねている。

P1070695.jpg ひとつの株から、ひとつのつる、ひとつのかぼちゃ。 hitokabu.jpg 葉が十分に枯れてきたときが収穫時期。

今日は、冬至だ。古くから、冬至の日にかぼちゃを食べ、ゆず湯に入れば、一年を健康に過ごすことができる、と信じられてきた。一年で最もかぼちゃが売れる日と言って良い。ところが、一昔前まで、国産のかぼちゃは、この時期には無かった。地球の反対側、ニュージーランドが旬※。元来、かぼちゃは、夏野菜である。北海道は少し遅れて、9月~10月ごろに収穫する。ここで、「糖化」というキーワードがある。収穫したてのかぼちゃは、甘くない。でんぷん質の塊で、ふかして食べてみると、もさもさしていて、ちっとも甘くないのだ。これを倉庫でしばらく置いておくと、でんぷんが糖分に変わっていき、甘くなる。肉質もねっとりしてくる。これが糖化だ。もともとは1ヶ月くらいかかるものだが、最近では効率化を目指し、7~10日間くらいで、糖化する品種が生まれ、主流になっている。

P1020650.jpg 収穫したて。

大雪かぼちゃは、この流れに反し、1ヶ月から2ヶ月くらいおかないと、十分な甘さにならない。9~10月に収穫したものを、2ヶ月おいておくと…。

毎年、12月22日前後の「冬至」に当たる。

冬至にも、国産の美味しいかぼちゃを、という思いをこめて世に送り出したのが、この、「大雪かぼちゃ」である。 

名前は、北海道の名峰「大雪山(たいせつさん)」にちなんだ。白い皮が、冠雪した大雪山を思わせるからだ。

P1070831.jpg 新十津川 浅川さんの畑。

最近では、この冬至需要を狙って、沖縄や鹿児島の暖地で促成栽培したものが、流通する。ところが、未熟なものが多く、水っぽくて美味しくない。カットしたかぼちゃであれば、未熟かそうでないかの見極めは簡単だ。完熟したものは、種がすべてふっくらとしていて、ぺちゃんこのものが無い。また、皮と果肉の間の色の違いがはっきりしている。ぼやけていれば、未熟だ。

tane1.jpg 種がふっくらとしている。

りょくけん大雪かぼちゃ。こまかく切って、電子レンジで暖めただけでも美味しい。流行のシリコンスチーマーを使っても良いだろう。ぜひ召し上がっていただき、一年を健康に過ごしていただければと思う。

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■大雪かぼちゃ 北海道産 100gあたり72円(税込) ~1月上旬ごろ

※日本の商社が、日本の品種を持ち込んで、栽培、輸入を推進している。正直な話、価格を狙った変な促成栽培のものよりも、品質はずっと良い。

※↓「がんべ」と呼ばれるかさぶた状のもの。熟度が上がるにつれ、発生する。食べて害のあるものではなく、むしろ熟度の高さを示す。

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