りょくけん東京

りょくけんだより
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今年は本腰いれてますからね。

何も、昨年、手を抜いたわけではない。

新しいことには時間がかかる。

tomatoberry (1).JPG

大分県杵築市の山崎さんとりょくけんとは、もう20年来のお付き合いになる。

生産部に所属するNさんのことを、高校生の時からご存知という。そう聞くと、20年と言う歳月の長さを実感する。

山崎家は代々、みかん農家だった。

若いころは、家業を継ごうとはサラサラ思っていなかったそうだが、りょくけんと先代のお付き合いが始まり、その恵まれた環境にほれ込んだ弊社が、トマト栽培をお願いし、よそに出ていた山崎さんが行うことになったのだとか。

「俺がやるなら、敷地の中で一番良い、あの場所でしかやらない。」と以前から言っていたらしい。

tomatoberry (2).JPG ←敷地の中でも少し小高い場所にある。

先代が、突然、その場所の木を切り開き、ハウスを建て始めた。

「トマト作るぞ。」(先代)

「誰が?」(山崎さん)

「お前だよ。」(先代)

そんなやりとりだったとか。

 tomatoberry (4).JPG

目の前には守江湾が広がる丘の山腹。赤土で、南西向きの傾斜地。絶好のロケーションだった。

以来20年強。長年、ミニトマトを作っていただいたが、5年前に中玉のミディトマトに切り替えた。

パリッとした歯ごたえのある皮で、甘みとうまみが絶妙。私は入社して間もなかったが、最高のミディトマトに出会った、と思った。

そんな折、りょくけんは、新たなミニトマト品種を導入し、人気を博した。トマトベリーである。夏の間は良い品質のものがとれた。

ところが、冬がうまく行かない。設立に参画し、肝煎りだった静岡のルーツファームこそ、最高の品質だったが、解散後にお願いした生産者では、とんとうまく行かなかった。目指す美味しさにはまったくならず、変な風味もあった。栽培依頼もして全量引き受ける約束もしていたから、本当に大変だった。

2年ほど、そんなつらい経験をした後、白羽の矢を立てたのが、他ならぬ山崎さんだった。生産部のトップが何度か大分に足を運び、ようやく承諾を得た。

トマトベリーのほか、ミニ、イエローミニ、オレンジミニと一度に4品種を作付していただくことになった。管理方法の違いから、最高品質であったミディトマトは作付出来なかった。

ただし、いかに名人 山崎さんといえども、一度に4品種の管理は難しかった。というか、山崎家の農業は、奥さんと二人だけで行っている。4品種の管理は追い付かかなかったと言うほうが正しかった。

実際、葉などの管理後、収穫してから、出荷数の報告を電話でいただいていたが、21時を回ることが多かった。

「トマトベリーはね、収穫が大変なんよ。」

tomatoberry (8).JPG ←離層。

トマトを収穫するとき、ヘタの先と枝の途中にぷちっと切れる場所がある。「離層」と言う。新品種「トマトベリー」はそこが硬かった。たとえば、ミディトマトは収穫がしやすく、その離層が離れやすかった。両手で同時に収穫が出来るくらい。同じ面積にもかかわらず、収穫は午後一には終わっていたこともあったらしい。

そんな反省を踏まえ、今年は、トマトベリーとミディトマトの二品種にした。ハウスの工夫で、管理方法が違う、ミディトマトも導入することができた。私にとっては、願ってもない作付である。

最高のミディトマトの復活と、人気商品トマトベリーの2作。

「今年は、本腰いれとるけんね。」

tomatoberry (6).JPG ←ミディトマト

今年2月。まだ由布岳も別府岳も雪深い折、山崎さんを訪ねると、開口一番、そのようにおっしゃられた。

山崎さんの大きな目が、一段と大きく見える。

ハウスへの植え付けを3区画に分け、1区画ずつトマトベリーとミディトマトを植える。一か月ほどずらして、残りの1区画にトマトベリーを植える。

トマトベリーの植え付けを2回に分けたことで、トマトの出荷量のピークをずらすことができ、収穫も管理も手が回るようになった。

「おたくの部長はひどくてね~。」と山崎さん。

「ちょくちょく来ては、『水は今後やらないこと。やるのであれば、手灌水(てかんすい)。』と言い残していくんです。」

灌水とは水やりのこと。施設栽培では、多くの場合、パイプが畑中にめぐらせてあり、蛇口やポンプのスイッチを入れれば自動で行くように作られている。もちろん山崎さんのハウスにも灌水設備がある。

手灌水とは、じょうろに水をくみ、不足しているところだけに、水やりをすることだ。せっかくの自動設備があるのに、酷な指示である。

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ハウスの前面に敷いてあるマルチを少しはがすと、カラカラに乾いた赤土が見えた。それでも、葉はやや縮こまっているが青々としていたし、実も真っ赤だった。

「ちょっと食べても良いですか?」

「食べるなら、この列が今、良いよ。」

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美味しい。

糖度を測ってみると、予想以上で、11.5度を計測した。

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「もう少し光が強くなると、味も上がってくる。」と山崎さん。

大分 杵築の冬は曇天が多い。抜群のロケーションながら、太陽の恵みは、隣の宮崎に比べると、あまり多くない。

��私も晴れ男を自称しているが、どうも杵築に来るときは、晴れが少ない。。。)

「おてんとさんには絶対適わないけどね。できることは全部しちょるからね。今年は、絶対みんなに『うまい』と言わせる。俺も男やけん。」

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トマトベリー。そうそう、りょくけんのトマトベリーは、「いちごトマト」という名前で販売している。何度か他の産地の方が作ったものを食べたことがある。同じ品種とは思えなかった。

同じ名前で売ってはいけない、そう感じ、「いちごトマト」という名称にした。すっかりお店では定着し、お客様の支持も得ている。

本日から、春のトマトフェア。あたたかくなり始め、ちょうど、収穫も多くなってきた。試食を積極的に実施しているので、ぜひ召し上がってほしい。

■いちごトマト 大分県産 578円(税込)

■ミディトマト 大分県産 399円(税込)

■三種のトマトのサラダ 1P 609円(税込) いろんなトマトの味を楽しめます。もちろんいちごトマトやミディトマトも入る日があります。

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