熊本のハウスレモンの農家さん 堀田さんに、昨年7月ごろに聞いた。
「夏のレモンの需要がどうしても高い。堀田さんはハウスで作ってらっしゃるのだから、夏でもできますよね?」
「油代(=灯油)が高くてどうしてもできない。うちは、病気にあまりかからない、というメリットでハウス栽培を続ける。」
ハウス栽培することで、マンゴーやハウスみかんなどのように、通常は栽培できない時期や場所でも栽培ができるようになった。
しかも灯油を使って加温してコントロールするので、露地物よりも糖度が上がりやすい特徴がある。
もうひとつの利点が外界から隔離されていることだ。
ウィルスなどによる病害、虫害が持ち運ばれないのだ。
そのため、無農薬栽培がしやすくなる。
堀田さんはその利点をとったわけだ。
「そうですか…。」
「でもですね、”狂い咲き”とか”遅れ花”いうんやが、時季外れに花をつけることがあって、果実もチラホラなりよるんよ。昨日も全部ちぎって、近所の方に配りよった。」
おっと!
「それ分けてください!」
「でもな、こんなもん商品価値もないし、皮もでこぼこしよんよ。」
「かまいませぬ!」
と、昨年の夏、「夏レモン」と称して販売したのが、この遅れ花のレモン。
数はやっぱり少なく、とても固くて、ジュース分を搾りづらいのだが、人気だった。
少々外観がでこぼこしたグリーンのレモンで、確かに硬かったが、1週間もおいておくとやわらかくなり搾りやすくなる。酸味や香りも普通のレモンと変わらない。
夏になったら、またお目にかけます。