りょくけん東京

りょくけんだより
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コラム 産地情報 社長日記 野菜情報

なんか、良い。

初夏の日差しの中、吹き抜ける風がさわやか。

そんな中、慶一さんとスタッフ11名の談義は続いていた。

なすの話、農薬の話、若い人たちの食生活からTPPに至るまで。

「日本一美味しいなすだ、ってある人に言われたことがある。」
「でも実は、なすは俺は食べない。」
「大森さんじゃなきゃ、取引しなかった。」
「お。」
「正直、消費者が農薬の害を心配するのも分かるけれど、一番、被害を受けるのは俺たち農家だからね。使用方法に気を付けるのは当たり前。」
「どうすれば所得がそこまで十分でない今の若い世代に、良い食品を食べてもらえるかが本当に難しい。」
「TPPは賛成。」
「でもTPPの一番怖いのは、食品だけでなく医療も扱っているところ。そしてその罰則。」

etc.

「こんにちはー。お世話になります。」
「ご無沙汰しています。」
朝の家の仕事を終わらせたのだろう、慶一さんの奥様 友美さんもいらした。

◎石原家のキーマン。

「メガネが変わりましたね。」
「そう、なすの手入れをしていたら、もう傷がつき過ぎちゃって。。。」
挨拶もそこそこに、友美さんは、畑を回り、次の誘引のための紐を支柱にぱっぱっとかけていく。

10時を回ったころ。

「はーい、皆さん暑い中、ご苦労様~。冷たい飲み物どうぞ。」と梅子さんがサイダーやお茶、コーヒー飲料をもって畑に来てくださった。
「あっちの木陰にベンチもあるから、涼みましょう。」

10時は、農家さんの小休憩の時間。
朝早くから農作業をして、一息つく時間でもあるのだ。

花桃の木陰のベンチには、石原家特製の炒り落花生が用意されており、すでにスタッフさんたちがつまんでいた。

至れり尽くせり。

「あま~」
「うま~」

と次から次へと手が伸びる。

「息子はね、ちょっと話が長い傾向にあってね。」と梅子さん。
梅子さんも話し好きだが、ぐっとこらえて、慶一さんに説明をお任せしているように見えた。

代替わり。

慶一さんも40歳を超えて、農業経営者として脂がのる時期。
販売の責任者を梅子さん、生産の責任者を慶一さん、と役割分担をしているが、そろそろ世代交代も考えているのだろう。

「あそこあそこ。リニアが通るのは、あの塔の右に穴が見えるところ。」
区画整備の件で、”公共の地上げ”を受けた石原農場の畑の話を聞いて、その理由がリニアであることに目を輝かせた私に友美さんが親切に教えてくださった。

そんなところパシャッとカメラを向けるスタッフのYさん。
Yさんもりょくけんが誇るWワーカーの一人である。

ユニクロと提携して行ったSKIP事業の時の仲間だ。
上野毛店が閉鎖になり、松屋銀座店に移動して、さらに私のいた東武池袋の店も手伝ってもらった時に初めてお会いした。

りょくけんが松屋銀座に出店する際に再度声をかけて、手伝ってもらったが、いったん退職。
一昨年、週に1回くらい手伝ってよ、とお願いしたら、復帰してくださった。

◎今の本業はカメラマンである。

失礼ながら、私のニコンD7000を託し、一日撮影をお願いしてしまった。
ここ数日の画像は、すべてYさんの作品である。
Yさんも、奥様がキーマンであると思ったようで、撮影を試みていたが、瞬時にカメラをかわしていた。

そういえば、私も何度が訪れているが、撮影したことがない。

「写真は…。」とはにかむような、照れているような。
「(写真が)嫌な人は撮らないようにしてます~。でもなんか良いんで…。」とカメラマン魂に、火ではないが、ちょっとした灯がついたようだった。

「じゃあ、まあ、せっかくだから、みんなで一緒に撮りましょう!」

石原農場の皆さんと、りょくけんスタッフ11名。めちゃくちゃ貴重な写真が、おかげさまで撮れた。

「はい、じゃあ、先ほども申し上げましたが、改めて。石原さんは、12月下旬から5月いっぱいまで、いちご狩りをしていますので、ぜひプライベートでもいらしてください。」と私は締めてみた。

「ところで、石原さん、今年のなすはいつごろから…?」
「15日だね。そのころからなら出荷できると思います。」

皆で名残惜しいが、バスに乗り込む。

車内から全員で手を振った。

なんか、良い瞬間だった。

「良いですね、石原さん。」みたいな言葉が車内から湧き上がる。

「そう、良いんですよ。本当に。今日はいらっしゃらなかったけれど、慶一さんの妹さんがいらしてね。梅子さんと一緒に銀座のお店に来たことが、実はあるんですよ。」と解説。
「そうしたら、非常にタイミングが良いことに、石原さんのなすを買ってるお客様がいたらしくて、名乗らずに聞いたら、『このなす、最高なの。水っぽくなくて、やわらかくて甘いの。』と言われたらしくて。」というと、
「へえ~」という声と、にやにやするK氏がいたので、視線を合わせると、
「さっきそれ、木陰で待っているときに、全く同じの梅子さんから聞きました~」と嬉しそうに言った。

なんか、良い。

なすの木の下に発見!

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