りょくけん東京

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コラム

照喜治さんと私5。

一年勉強しなおして、公務員になろう。

自分の商売の才能に見切りをつけて、そう思っていた。

が、上司であったSKIPの柚木社長(現GU社長)の言葉が引っかかった。

「次郎さん(当時りょくけん社長)が、松屋から『直接出店しろ』って言われているみたいだよ。」

次郎さんは、文字通り、照喜治さんの次男で、(株)りょくけんの社長。
SKIPの失敗を、少しりょくけんのせいだとも思っていたし、”直接の出店”にも興味があったし、次郎さんにも会ってみたかった。

「柚木社長、次郎さんに会ってみたいんですけど」というが早いか、アポをとって浜松に向かった。

朝10時に遠州小林駅に着いて、そこから16時に再び遠州小林駅で別れるまで―。
お昼ご飯の時間も含めて、次郎さんはしゃべりっぱなしだった。

商品知識とか、農家さんのこととか、農業について、いささかSKIPには不満があった私には、すごく充実した時間だった。
世の中に、こんなに話す人がいるのか、と思うほど、話が豊かな方だった。

そして、事実として、松屋銀座から、出店オファーを受けているが、いったん断っていることを知った。

が、半ば頭に来ていた私は、遊びの予定を入れており、翌日から妹の留学先であるチュニジアに行った。
エジプトのピラミッドとカルタゴ遺跡が見たかった。

三大ピラミッドの前で。

「おにいちゃん、チュニジアの一番のおすすめは”砂漠”だよ。」
と、すすめられたまま、飛行機でチュニジア南部の町トズールにも行った。

スターウォーズの撮影舞台ともなったタタウィンの砂漠にて。

みんな、一生懸命生きていた。

商売しながら。

帰国してすぐに私は意を決し、周囲に説明した後、浜松の次郎さんに電話した。

「ぜひ私に、その出店の件をやらせてください。」

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