りょくけん東京

りょくけんだより
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産地情報 社長日記

砂糖は奥が深い。

サトウキビに、品種がある。

それは、あるだろうけれど、これまで全く興味を持ってこなかった。

「今、これは冷ましているところだから、奥でお茶でも飲んでて。」

お母様に促されて、事務室 兼 応接室 兼 休憩室に移動した。

応対してくださったのは、大きな目に、島の人らしい精悍な顔つきの代表、美島 拓也さんだった。

「お、ちょっと空けて。そっちの机に移動してくれ。」

小学生になる息子さんが、ちょうどお昼を食べているところで、申し訳ないのだが、別の事務机に移動させてしまった。
私の長男よりも少し大きいくらいだろうか。

「遠いところから、わざわざありがとうございます。」

「サトウキビにも品種があるんですか!?」
「あります、あります。」と拓也さん。
「まず、春植えと夏植えとあって、年に2回収穫時期があるんですけど、春植えは収穫まで1年半かかって、夏植えは2年ちょっとで収穫できて、ちょうど今取り始めたもので、品質が良いんです。あと33号とか27号とか22号、23号、8号と真夏に取れるのもあります。」
「へえ~」
「今日のは28号で、本当に良い出来。28号は良いんですよ。」
「へえ~!何がそんなに違うんですか?」
「品質が悪いと、糖度が低いから、固まらないんですよ。」
「石灰や原料糖を加えるんですよね?」
「石灰は必ず加えます。アルカリ性にしないと、蜜状のまま、飴になります。原料糖は、要はザラメですね。うちではよその製糖工場から買ってます。それは”黒糖”でサトウキビだけで作るのを”純黒糖”と呼んでます。」
「へえ~。ちなみに歩留まりは、どのくらいなんですか?」
「今、外に積んである台車に、大体100㎏のサトウキビが積んであるんです。そこから、そうだなあ、1/10できれば良いかなあ。」
「そんなに低いんですね…。」
「サトウキビ農家も大変なんですよ。」
「あ~大変。サトウキビの値段が1㎏あたり22円。ハーベスターっていう収穫の機械で、1反刈り取ってもらうと、5000円。大体1トンとれるとして、1反当り22000円から5000円引かれて、17000円くらいの手取りになる。」
「㎏あたり22円ですか!」

サトウキビの価格は、国が決めている。
国の保護下にある作物ではあるが、極めて安い。
ただ、1㎏の黒糖を作るのに10㎏必要なのだから、原料代だけで、220円になる。
すごく安い、というわけではないのかもしれない。

「固まらない時もあるんですか?」
「あ、しょっちゅうですよ。難しいもんです。砂糖にならないやつは捨てます。」
「え。」
「今日のはサトウキビを搾った時点で、20度くらいあったもんね。」
「え、失敗したやつは捨てるんですか?」
「あ、牛のえさにするんですけどね。」
「牛???」

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