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産地情報 社長日記

永良部の夜。

夜通しのご飯も、ずっと生三さんのペースだった。
農家の四男坊が、いかにして今の財をなしたか、今の規模にしたかを伺った。
食事の席では、30分ほど遅れて、同年代の田畑さんもいらっしゃり、なんとなく芋高家のことも分かった。
長男である司さんにもお会いできるものかと思っていたが、サトウキビの収穫を夜22時までやっているらしく、それどころではなかったようだ。

芋高農園の三大作物は、花(ユリとグラジオラス)、じゃがいも、サトウキビ。

グラジオラス。

一昨年、生三さんは、現役を退いて、単身ワゴン車で日本一周の旅に出たらしい。
長男である司さんに経営をすべて任せて。

田畑さんはいったん体を壊して、仕事を離れていたが、司さんに乞われて、戻ってきたそうで、とても優秀。

ただ、100町を超える畑の管理は簡単ではない。
打撃だったのは、昨年、新じゃがの価格である。
にしゆたかの普及と技術の進歩により、長崎や鹿児島でも、徳之島や沖永良部島と同時期に出荷が可能になってしまったのだ。

比較的、高く推移していた新じゃがの価格が暴落した。

そこで、生三さんが旅から急遽帰り、経営に復帰したそうな。

現在は、生三さんが花とじゃがいもを、司さんがサトウキビを分担して、切り盛りする体制になった。

規模はますます増えて、120町。
1町は、100m×100m。
野球場の両翼がだいだい100m×100mだから、それを120個分。

一日あれば、一周できてしまう島のいったいどこに、そんな耕作面積を持つことができるのか。
四男ということは、相続した土地も家もない。
一から、それだけのものを開発したパワーは本当にすごい。
とてもつもない人に会ってしまった。

私が唯一おほめに預かったのは、歌。
たまたま歌うことになってしまい、歌唱したわけだが、

「誰にでもひとつは取り柄があるもんだな~」
「おい、進む道を間違えたんじゃないか。」
「社長としてはパッとしないけど、歌を歌わせたら、表情まで明るいじゃないか!!」

などなど。

―褒められている、と思いたい。

同年代の田畑さんと、話もよく合い、結局4時ごろまで飲み明かしてしまうことになる。

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