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マルオクラ諸事情。

照喜治さん※の畑に通っていた頃。
夏の暑い日は、バジルを山ほど、マルオクラも両手で抱えきれないくらいいただいたものである。

「マルオクラは、角オクラに比べて、2/3に収穫量が減ります。でも、食べれば、筋が張らないし、甘みもあって美味しいんです。」と独特の口調でよく言われたものである。

「もっとも、角オクラを広めたのも、俺なんだけどな。。。」とぼそっとつぶやいていた。

角オクラに比べると、マルオクラは、収穫量が少ない。
角オクラの方が、1.5倍に収穫量が増える。

ただ、美味しさを重視すれば、マルオクラ。
だから、りょくけんでは、古くから、こだわってマルオクラを取り扱ってきた。

私がユニクロのSKIPにいたころは、もう15年も前になるけれど、大分の国東半島(くにさきはんとう)のマルオクラを扱っていた。
切り深い渓谷のようなところで育っていて、やわらかいし、とろっとした粘り気は、他の産地をよせつけない美味しさがあった。

ただ、高齢化が進んでしまい、ちょうど私が、(株)りょくけんに入社したころ、産地としての取り扱いが終了してしまった。
そのあとは、照喜治さんに分けてもらうことが多かった。

しばらくして、浜松の農業法人の雄であるグリーンフィールドさんが、冬はブロッコリー、夏はマルオクラ、という路線を確立していたので、ずっと取り扱わせてもらっていた。

ただ、昨年あたりから、グリーンフィールドさんも角オクラを作り始め、その作業性、収量性の良さを再認識したようで、今年2019年から栽培を角オクラに一本化することになってしまった。

「大森さんね、収穫量は1.5倍、いや2倍違うかな。成長スピードとかも速いし、種をまいてから、収穫できるようになるまでも短いんですよ。マルオクラは食べれば美味しいんだけど…。」

残念だけれど、説得をあきらめた。

↑角オクラ。断面が星形なのは、料理にはとても映える。

↑マルオクラ。粘り気があり、やわらかく、甘い。

全国的に、直売所が流行ったおかげで、マルオクラの認知度も上がり、どこもかしこも、直売所向けに珍しい野菜を、とマルオクラを作る方が増えた。
ところが、やっぱりここにきて、マルオクラを断念し、角オクラに切り替える方が増えたようである。
グリーンフィールドさんの心変わりも、その一環だろう。

遠く、指宿の湯ノ口さんが、角オクラも、マルオクラも作っている。
今はまだ角オクラだけだけれど、6月中旬からはマルオクラも始まる予定。
ただ、絶対量が少ない。

近くでどなたか作ってはくれまいか、と頭を下げたのが、他でもない、次郎さんである。
照喜治さんの二男で、いわずもがな、(株)りょくけんの創始者のひとりである。

経営の第一線を退いてから、浜松の舘山寺で、農業を営んでいる。
2年ほど前まで、マルオクラも栽培していたこともあり、販売量を約束すると、OKしてくださった。

だいぶ作りこんでいたようで、舘山寺の畑に合った品種を探そうと、いくつかの品種を試作し、沖縄の品種が一番合致している、という結論に達していた。

7月中旬くらいから出荷が始まる予定だ。
少し先であるけれど、前を向いていきたい。

◎乞うご期待!

※照喜治さん …永田照喜治。(株)りょくけんの創始者のひとり。

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