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牛乳 産地情報

ペレニアルライグラス。

私が、宇野さんにひかれた点は、単なる放牧でない、ということ。

「少し、人間の知恵を加えている点が良いと思ったんですよ。」

それが、”集約放牧”という考え方だ。
酪農先進国であるニュージーランドやオーストラリアでは普通の考え方。
宇野さんは酪農大学と現地に赴いて、それを学んだ。

雑草ではなく、牧草品種を植え、土の手入れをする。
牛は好きな品種を食べるので、柵を何日かで変更し囲い込む。
ある程度、食べたら、次の牧草地へ移動させる。

そうすることで、牧草も維持でき、牛の健康も乳質も高度に保てる。

牧草の品種はオーチャードティモシーやクローバーのほか、ペレニアルライグラスをメインに据える。
ペレニアルライグラスは和名を細麦と言い、種は確かに麦のようなものができるが、芝の一種だ。
ペレニアル=perennial=多年生の、ライグラス=rye grass(和名はドクムギというが、毒という名前は誤った見解からついてしまったらしい)。

糖度が高く、牛が好み、牛乳も甘みを増す。

ペレニアルライグラス。真ん中はピンボケしてしまったが、種。確かに麦に似ている。

それだけだと、バランスが悪いので、違う草を食べさせたいときは、放牧地を移す。

驚いたことに、病気になった牛は、まったく違う草を自ら食べる。
自然に生える薬草的なものを食べて、治療する術を知る。

また、多くの酪農家がえさを海外から購入する。
コストの4~6割がえさ代。
輸入された飼料のほとんどに農薬が使用されているし、遺伝子組み換えのものも含まれている。

「そんなものを食べて牛が健康になるわけないんですよ。しかも穀物も食べる。本来草食の牛には必要ないんです。」

その結果、宇野さんの牛は、医者いらず。
酪農家のコストの1~2割が医者代だというから、これまた経営を助けている。

「その代わり、大変ですよ。本当に手間暇かけています。」

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