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ぽろたん 黒色身腐病

品種は進む。そして、ウィルスも。

植物の病気は人にはうつらないらしい。
その、メカニズムははっきりしていないが、うつらないことははっきりしているのだとか。

ここのところの悩みの一つに、ぽろたん栗があった。
外観上、分からない中身の傷みがあるのだ。

栗と言えば、虫。
クリタマバチという天敵が、栗に卵を産み付け、中で孵化する。
結構な、風景になるので、外観から、穴がないか、必死に検品する。

今年のぽろたんには、虫はほとんどいなかった。
代わりに、中で傷みが多かった。

外観からは、まったく分からない。
熊本の産地では、すでに発症例があるようで、黒色身腐病(こくしょくみぐされびょう)と言い、出荷前に温湯消毒と言って、50度~60度のお湯で数十秒温めることで、かなり予防できるそうな。

が、関東では事例がない。

めちゃくちゃ困ったので、開発元の国の機関、茨城の農研機構に電話した。

どうやら、ポリフェノールが豊富に含まれる渋皮には、中の実を保護する役割があるようで、それが剥離しやすいぽろたんには、未知のウィルスで病気が発症するらしい…。
収穫時には問題ないけれど、貯蔵中に、たとえ冷蔵していても進行する病気の報告がされているらしい。

熊本で発症している病気ではないのか?と質問すると、それとは違い、温湯消毒も意味がないだろう、とのこと。
しかも、成木の大きな木になったものに、多く発症する傾向があるらしい。

浜松の、ぽろたんは、豊作だった。
いよいよ成木になり、働き盛りの時期に入ったと喜んでいたのだけれど、困ったことになった。

生産者さんに連絡すると、外観からの検品はしているし、水につけて、浮いたものは除いていたそうで、本当に困った。

ただ、こういったことは新品種には、まま、あることだそうで、、、

「ひょっとすると、ぽろたんは、そういうことかもしれませんね。渋皮は剝がれやすいのは、デメリットがあって、今後は消えゆく品種なのかもしれません。」

ああ、ダメだ…。

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