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コナジラミ タバコカスミカメ トマト 天敵 黄化葉巻病

タバコカスミカメ。

SACさんで圧倒された後、再度南下し訪れたのは、なじみの農家さんだった。

鈴木信好さんと章弘さん父子。
りょくけん黎明期からのトマト農家さんで、信好さんは、永田照喜治を大先生(おおせんせい)、息子の私の元上司を先生と呼んでくださる。
美味しんぼの第7巻「大地の赤」で掛川の石山さんが紹介されたけれど、その当時からのお付き合いだと聞いている。

ハウス内は、いつ来てもカラカラで、萎れた葉っぱがなんともかわいそうな感じ。

章弘さんが種苗メーカーに勤めていたこともあり、育種には力が入っている。

世界中に8000種類は存在するというトマトから、好きなものを選び、独自に交配してオリジナル品種を作る”オンリーワン”の農家さんだ。
種取りはせず、脇芽を接いで苗を育て定植する。

毎度、新しい品種ができていたり、新たな取り組みを行っているので、いつ行っても勉強になる。

訪ねてみると、作業部屋で袋詰めをなさっており、お忙しい最中であった。

「あ、ごめんなさいね、明日、いつもやってるマルシェがあるもんで。」と章弘さんが対応してくださった。
年に何回か、小売りの場に直接出向いており、消費者の志向をとらえ、品種改良の方向性や販売方法を考えるのだそうだ。

実際、それは大切だ。

ハウスに案内されると、まず、最新の取り組みについて紹介された。

  ↑ クレオメという植物の…

 ↑ 写真中央部についている。

 

それが、タバコカスミカメ。

カメムシの仲間だそうで、2㎜くらいの小さな小さな虫。
トマト農家を悩ませる”コナジラミ”と”アザミウマ”を捕食(読んで字のごとく、捕まえて、食べる)するそうで、天敵農薬として注目されている。

コナジラミは、本当に、全国のトマト農家さんを悩ませている害虫で“黄化葉巻病”という病気を媒介し広げてしまう。
黄化葉巻病にかかると、トマトの葉っぱが黄色く、くるんくるんになり、光合成を十分に行わなくなり、木の寿命が大幅に短くなる。

 ↑ 黄化葉巻病。

実は鈴木さんのところでは、黄化葉巻については、なんと、”放置”することで”克服”しているのだが、
コナジラミがトマトの実に蜜を残し、そこから黒いスス=カビになる“スス病”が流行ってしまっている。

ヘタの周りについている”カビ”と言われると、トマトを扱っている業者さんであれば、ピンと来る。

鈴木さんは基本的に化学合成農薬の使用を避けるので、タバコカスミカメが農薬に登録されて、早速、試しているのだ。

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