飛行機から見る青森は、本当に青い森で、緑を通り越して濃い青のうっそうと茂った森が続く。
日本って自然豊かだなと思う。

↑ 名峰 岩木山。

空港でレンタカーを借りて、一路、尾上山（おのうえやま）へ向かった。

事前のリサーチで、標高も高いし、赤っぽい土も見えたので期待値は高かったのだけれど、生産者の小野さんに言わせると
「うちはさほど大きくやっていないし、今年は特に生りが悪くて、、、でも、お師匠さんがいるから、そちらを紹介する。」
「いやいや、弊社もさほど大きいお店ではないので、そのくらいで大丈夫ですよ～」
「いや…」とのこと。

尾上山にある畑の住所を伺って、１時間弱、車を走らせた。
いざ、尾上山に着くと、あたりは、りんご畑ばかりで、途方に暮れた。

カーナビは正確な場所を検知できなかった。
電話を掛けたが「お客様の都合で、かかりません。」との回答を繰り返すばかり…。

これは、電波が届いていないな、、、と思った。

幸い、りんご畑でお昼休憩をとっている方がいらしたので、尋ねてみた。

「すみませんー！」
「何も聞こえないから、もっと近くに来てしゃべって～」と言われた。

「さくらんぼを作っている方、この尾上山にいらっしゃいませんか？」と聞くと、はてな？がいっぱい浮かんだ。

しばらく考え込まれた後「この先を行くと、十文字があって、その先にT字路になっているところが、あるからそこを右に行って、もう少し言ったところで、ねぎとか植わっている畑があるからそこを、また右に曲がって…」

私は方向音痴でもあるが、道案内を記憶するのが苦手だ。
右に曲がって、また右に曲がってと言われて、ここにまた戻ってくるではないか、そう、思ってしまう。。。

「…メモする紙あるかい？」と言われて、レンタカーに取りに戻ろうとしたとき、私の携帯電話が鳴った。

「…！　ちょっと待ってください。小野さんからかも！すみません、電話が来ました！」

通知された番号は知らない番号だったけれど、きっと電波が届かないから、見知った他の方の電話からかけてくださったのだろう、と半ば、希望的観測を持ちながら、電話に出た。

「はい、りょくけん東京、大森です！」
「あ、すみません、さくらんぼを作っている、おの農園の者ですが。」

電話の向こうは男性の声だったので意外だったけれど、その声に従い、サンアップルホームという施設に向かうことにした。

かくして、りんご畑にいらっしゃった方に御礼を言い、再びレンタカーに乗って、道を進んだ。
サンアップルホームを目指して。

十字路を過ぎ、しばらくするとT字路になり、右に曲がる。
しばらくすると道なりになんとなく左に寄りながら、また右に曲がる道があって、曲がった。
左手には、ねぎではなく、にんにくが植えてあった。
ねぎとにんにくは同じユリ科の植物。
見た目も似ている。

あ、やっぱり言われた通りなのだ、と腑に落ちた。