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とうもろこし

とうもろこしの近代~現代。

明治の”開拓使”のころが1回目の転機だとすると、日本でのとうもろこし栽培の転機はさらに2回あると言って良い。

第二次世界大戦後の、1950年代になって、アメリカからバイカラー(黄色と白の二色が現出する品種)の”ハニーバンダム”種が導入されると、とうもろこしの高糖度化がさらに進んだ。
北海道だけでなく、関東やほかの地域でも、高糖度のとうもろこしが栽培できるようになった。
ピーターコーンが登場するとさらにその傾向は進んだ。

1990年~2000年代になって、さらなる進化が”味来(みらい)”という品種によって持たされた。
粒皮がやわらかく、生食が可能で、糖度もさらに高くなり、15度~20度くらいにまで上がったのだ。
それまでも、畑で取れたてのものを食べれば、生食も可能だったが、時間が経つと、でんぷん質が変質しておなかに悪さをするため、生食は不可だった。

”味来”の登場で、生食が可能になり、フレッシュでジューシーな味わいを楽しめるようになったわけだ。

以前、北海道の方から、ハニーバンダムやピーターコーンの事をウルトラスイート系、味来以降の生食できるものをスーパースイート系と呼ぶと習ったのだけれど、最近の文献を読むとそうでもなさそう…。

ただ、フェイズとしては、ハニーバンダム導入期と、味来登場以降は、別段階と考えるべきだと私は思う。

味来、ゴールドラッシュ、恵味、わくわくコーン、ミエルコーン、ゆめのコーン、甘々娘、ピクニックコーン、きみひめ、ドルチェドリーム etc.
いずれも糖度15度以上を超え、生食できる品種だ。

関東ではゴールドラッシュが抜群に育てやすく、ほかの地方では、それぞれの気候特徴に合わせて、多種多様な品種が育てられている。
最初の時期は、わくわくコーン、つぎの作型はゴールドラッシュ、、、などなど、時期によって品種を変更しているパターンもある。

ただ、甘い性質は、とうもろこしには劣性だったためか、薄っぺらな種になり、発芽率が7割程度と、栽培にはいくつか難点があった。
が、日本は、その難点を克服できる栽培技術を生み出すことに成功して、今では、本当に、高糖度のとうもろこしがいっぱいみられるようになった。

「生食できる」とか糖度20度に迫るほどの甘さとか、世界の中で見ても、日本のとうもろこしは、かなり進んでいるのではなかろうか。

ぜひ、このとうもろこしシーズンを楽しんでほしい。

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