「おかしいね。」
Kさんがお昼休憩から帰ってこない。
寝坊でもしているのだろうか?
朝早かったしなあ・・・。
「まあ、いいや、次の休憩入って。もし、Kさんいたら、声かけといてください。」
そういって、Uさんに休憩に入ってもらった。
入れ替わりで、すぐKさんは現れた。
「すみません!」
遅れてしまった理由は、、、
1.お弁当ではなく、社員食堂の食事で、温かい、ボリューム満点の食事で、食べるのに時間がかかった。
2.会場の3階から食堂のある8階まで、階段で行かなくてはならなかった←エレベーターをお客様優先にしていて、1~3Fまでしか稼動させていない。
3.一代で会社を築いたという社長さんに話しかけられ、止まらなかった。
メインの理由は三つ目で、途中で話をさえぎることができなかったそうな。
なんとも初々しい。
巣鴨信用金庫さんの社員食堂の食事は、確かにすごかった。
かぼちゃのサラダに、きちんと出汁をとったきのこの味噌汁、大きなエビフライにハンバーグ、中華丼、そして青りんごフルーツゼリー。
ご飯はお代わり自由だった(さすがに、お代わりしている人はいなかったが)。
そして階段。
各階の天井が高いのか、段数が思いのほか多く、なかなか厳しかった。
行員の皆さんも、とてもきちんとしていて、すれ違うたびに挨拶してくださるので、気も抜けない。
なるほど、経験してみると、さもありなむ、と思った(西武池袋ほどではないけれど・・・)。
売場に戻ると、なんやかんやで、まだお客様でにぎわっている。
若手の二人が笑顔でがんばっている。
Uさんは、ご年配のおばあさまに、両手で手を握られている。
「?」
10秒。
いや30秒。
いやもっと。
後で聞くと、「『あなたの笑顔を忘れないわ。』って言われてずっと手を握られていました。」とのこと。
ほお~。
「あなたの笑顔を思い出しながら、食べるわ。」と他にも3人に言われたとか。
表に出て接客していたKさんが中に戻ってくると、「『あなた感じ良いわね。』って言われました。」と染み出るような笑顔でポツリ。
ほお~。
その間も
「トマトは?」
「トマトどこ?」
「トマト買いに来たのに~」
とのお声がちらほらと聞こえてくる。
胸にグサリグサリと刺さる、、、
15時。
閉店かと思ったところに、他のテナントの女性社長さんがいらした。
「トマトは?やだあ、トマトほしかったのに~」と勢いのあるお言葉、、、
「でもまあ、いいわ、この青りんごちょうだい。」
とグラニースミスをまとめ買い。
「パインも芯まで食べれて美味しいですよ。」とUさんがすすめると、そちらもお買い上げ。
ありがたいことに、青果はすべて完売!
怒涛のような5時間が終わった。
「やったー!」
トマトの数量には悔いが残るが、商品も好評のうちに完売、しかも当社の女性スタッフが誉められて、とてつもなく嬉しい。
興奮冷めやらぬうちに、片付けも一気にすすめる。
野菜くだものが完売したので、帰りの荷物はかなりコンパクトになった。
私としては、ものすごく順調に、早く片付けられたのだが、会場に残っていた出店者は、私どもだけだった。
車に荷物を詰め込み、少々高揚した気持ちで、巣鴨信用金庫本店を後にした。
「ありがとうございましたー!」と行員の皆さんにご挨拶。
銀座店以外で販売するのは、久しぶり。
お中元や野菜の定期配送獲得を目論んでいたので、それは不発だったが、総じて、良い一日だった。