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絹と、いぶりがっこと、斎藤さん。

毎年、この時期になると、秋田の斎藤さんが、売り場に販売応援に来てくださる。
女流農家たちの会議が東京であり、それにかこつけて、所用を済ますそうだが、その一つに、お取引先である、りょくけんの松屋銀座店の店頭にいらしてくださるのだ。

東京の大学で美術を専攻していた方なので、こちらに知人友人も多く、絵の展覧会などにも回るようだ。

農家として、50品目以上を年間で栽培していて、いつも面白い。

主力は、原木生椎茸と西明寺栗、長ねぎ。

“絹”は、冬季限定の原木椎茸で、ところ変われば高級ブランド品として高値で取引されている。
たとえば、石川ではブランディングに成功しており、”のとてまり”の名で販売されており、初値はウン十万のお値段がつく。

特徴はまず、そのサイズ、大きさだ。
こぶしほどの大きさがあり、食べ応えがある。
果肉もかなり厚い。
ぶつ切りにしても3~4㎝程の厚さになる。

そして、名前のもとになった、舌触りのなめらかさ。
あわびを少しやわらかくしたような食感があり、かみしめるとじゅわっとうまみがあふれてくる。
椎茸にありがちな臭みが少ない。

「もともと、この椎茸の菌は、椎茸嫌いの人にも食べてもらえるようにっていう意図があって、風味が悪くないというか強くないようにしてるらしいっすよ。どっすか?」と斎藤さん。

「そうですね。僕でも食べられる。」

私が、キノコ類をあまり好まないのを知ってて、斎藤さんは尋ねたのだ。

「夏はできないんですか?」と質問したこともある。
聞けば、夏に作るとひょろっと薄いペラペラのキノコになってしまうらしい。
冬の寒さの中で、少しずつ少しずつ時間をかけて大きくなるから、あのサイズと食感になる。

そしていぶりがっこ。
秋冬シーズンに収穫した大根を専用の小屋に入れて、三日三晩、煙で燻す。
この小屋もご自身で作るのだそうだ。
さすが樵の娘、そして、百姓!

煙で燻した後、米ぬか、塩、砂糖の漬け汁に漬け込み、なんと、4か月待つ。

米ぬかと塩と砂糖の調味で、なぜあんな深みのあるうまみあふれる味になるのか、すごく不思議だが、曰く、いぶりがっこは、燻製でもあり、発酵食品でもあるそうだ。
漬けている間に発酵が進み、あのうまみがでるらしい。

「野菜を燻製にするのは、世界中で秋田だけらしいっすよ。」と斎藤さん。

最近では、クリームチーズやマスカルポーネチーズと合わせて食べさせることも多い。
ドライフィグ、干しイチジクと合わせても美味しい。
ポテトサラダに混ぜ込んだりもするとか。

そんなしゃれた食べ方を知ってか知らないのか、ここ銀座でもよく売れた。
東京は他県の出身者も多いので、中には秋田の方もいらして、斎藤さんとローカルな話で盛り上がっていた。

斎藤さんの明るい性格もあり、15時半~17時半まで、お店は会話であふれ、盛り上がった。

有難いな、と思った。

店は、意外と作業に追われ、時として余裕がなかったりする。
普段を反省しつつ、斎藤さんに再度、感謝した。

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