集合場所はオフィスビル。
トイレくらいあるだろう、と見渡したところ、ありそうなゲートには、セキュリティがかかっていて、警備員さんもいて、入れそうにない。
地下がレストラン街になっているようだから、そちらにはあるかもしれない。
階段を降りて、トイレのマークを探した。
「あった、あった、よし行こう。」
ぐるっと回ったところで、トイレがあった。
集合場所から、ちょうどコの字型に回ったところ。
「間に合った、間に合った。あなたもして行きなさい。」と三男にも促した。
「え~!でないよぉ!」
「出なくてもよいから座ってみろ。」
「…でた。」
「ほれみぃ。」
トイレを出て、来た方向に戻ろうかとも思ったが、コの字型に来たのだから、逆方向に行けば、ちょうど一周して、集合場所につくだろう、と変な冒険心が沸いて、その通りにした。
「とーちゃん、さっきと違う道だよ。」と次男が言ったが、さくさく上がっていくと、やはり、元の場所に戻った。
「ほらね。」
「ほんとだー」
「じゃ、バスに乗ろうか。」
いよいよバスに乗り込んだ。
「こんにちは~。今日はどうぞよろしくお願いいたします。」
「こんにちは、劉です。大森さんですか?今日はよろしくお願いいたします。」
流暢な日本語だが、ネイティヴではない。
(大陸寄りかな。大丈夫かな…。)
時計は8時40分。
集合時間は8時50分。
まだ、誰も来ていなかった。。。いろいろな不安が。。。