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国産お茶フェス2020-2。

嬉野茶。
精揉(せいじゅう)と言って、まっすぐに茶葉を仕立てているのが、”一般的”。

太田さんが試飲に出していたのは3種類。

・緑茶
・紅茶
・しょうがウーロン茶。

ぬるめのお湯で煎れられた緑茶は、渋みがなく、甘みがあり、ほっとする味だった。
前々日に、一日中飲んでいたのだけれど、やっぱり、専門?の方が淹れてくださるお茶は美味しい。

紅茶は、さらに甘みがあって、優しい味。
しょうがウーロン茶は今回、初めて拝見した。

紅茶の一歩手前のような味に、しょうががピリッと来た後、妙に甘さが残る。
「しょうがが来ますけど、ずいぶん甘いですね。」

「はい、そうなんです。アマチャが入っています。」
「アマチャ?」
「甘味料にもなる葉で、アジサイの葉の一種なんです。自分では作ってなくて、製茶だけ頼まれているので少し分けてもらったんです。」
「へえ~。そういえばアマチャヅルというステビア的な甘味料を見たことがあるような。」
「あ、それとはまた違います。」

深い。

お茶は、正直言って、むつかしい。
本当に奥が深い。

野菜の品質は4つのパラメーターで表される。
氏、育ち、ころ、たて。
つまり、品種、産地や育て方、時期、鮮度。

お茶も、品種や産地&育て方、とる時期(5月から10月くらいまで収穫がある)によっても品質や味が変わるし、仕立て方、というか、葉をもむやり方も違うし、いくつかの品種をブレンドもする。
茶葉は、収穫後から即、酸化=発酵が始まる。
それを蒸したり、炒ったりすることで止めるのが緑茶。
そのまま、酸化させて赤みを持たせたのが、紅茶。
それを途中で止めたのがウーロン茶。

蒸したり、炒ったりする過程を長くしたり、一晩経ってからそれをすることで、香りが強くなったり、また風味が変わってくる。

お茶フェスに参加しているブースを一周してみて、どこも、独自の工夫をしていて、奥が深い。。。
収穫してから、茶葉をしばらく置いて香りを引き出すのを“萎凋(いちょう)”と言うが、そこを差別化のポイントに挙げている農園が多かった。
なるほど、香りが強く、特徴が出やすくなっている、と思った。

黒茶の茶葉。

発酵も、わざとカビをつけてから発酵を進める“黒茶”なんていうマニアックなものもあった。
民間で、というよりも、愛媛県の石鎚山で守られてきたお茶だそうで、引き継ぐ人がもういないところを、大妻女子大学のお茶の教授が、研究し、引き継いだらしい。
食味的には、キムチの最初の酸っぱさに似ていて、決して美味しいとは思わなかったけれど、やっぱり乳酸菌などが豊富に含まれて体に良いらしい。

大妻女子大学 お茶研究の権威、大森正司教授も壇上で講演(親戚ではない)

品種もいくつもあるわけだけれど、珍しい赤い葉の茶葉が最近出たそうで、その名もサンルージュ。
開発したのは、またもや農研機構さん。
産地は徳之島。

徳之島は、かぼちゃやじゃがいもをやっている、とお伝えすると、少し盛り上がった。
食味的にはやっぱり少し酸っぱい感じがある。
レモンなど、酸味を加えると、真っ赤に染まるという新しい茶葉。
こうやってまたどんどん時代が進んでいくのだと思う。

どこの農園も、茶葉はブレンドするようで、シングルオリジン、というか、一つの品種をお茶にする方は極端に少ない。
それが、いわば常識のようである。

分かりやすく、乱暴なまとめ方をすると、九州のお茶と関東で、緑茶の傾向は真っ二つに分かれる、と感じた。

九州のお茶は、球磨でも高千穂でも霧島でも、それこそ我らが太田さんの嬉野でも、ややおとなしい、上品な味だ。

静岡や狭山などは、濃い。
関東出身の私には、やっぱり、あ、この味ね、というのは関東のものだった。

どれが一番美味しいか。
もうこれは、個人の好みだなあ~と強く思った。

一方で、どうやら日本の茶葉から紅茶にするのが流行っているようで、多くの農園で紅茶を提供していた。
そして、その紅茶で、最もおいしいのは、太田さんのもので、間違いないな、と思った。
香り、優しい甘み。
ひとつふたつ、頭を抜けていたと思う。

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