りょくけん東京

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子噺

さんさい。

朝、起きようとすると、四男が、まだ眠いのだろう、トボトボと私のところに、歩いてきてばさっと乗っかってきた。

ー重い。

「誕生日、おめでとう。」

今日は四男の誕生日。

分かったような、分からないような表情をしているので「何歳になったの?」と聞くと、「もうすぐさんさい。」と答えた。

「違うよ、今日から、3歳だよ。」

「そう。もうすぐ さんさい。」

ここ数か月、「もうすぐ3歳だね」と言い聞かせていたので、仕方ない。

どう説明したら良いかも、よく分からない。

「今日は、あなたが生まれて3年経った日だよ。」

出社して、仕事して、夜帰宅して、ドアを開けると、四男が再び飛びついてきた。

「ぼくね、もうさんさいになったんだよ。」

お。

あんなに「もうすぐさんさい。」と頑なだったのに、この数時間で、歳をとったことを理解したのか、と思うものがあった。

それは、5歳なんじゃ…?

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