りょくけん東京

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ゆりね ゆり根 忠類

新たな3ヘクタール。

「新しく3町、土地を買ったんですよ。」

3町=3ヘクタールである。
既存の4ヘクタールのアスパラガスだけで相当な作業量になる。

「『いや、大丈夫、新しいところはアスパラやらないから』ってスタッフに言ってます…!」

経営者として、赤木さんは新たな3町を購入することを決めた。
これってすごいことだし、そこには赤木さんにしか見えない視野や意図もあるだろう。

単純に言って、アスパラのキロ当たりの値段は、あらゆる農産物の中で最も高い。
市場を相手にしていれば、需要と供給の問題で、たくさん作れば作るほど、値段は下がってしまう。
赤木さんは3年前にも畑を拡大して増産しているのに、値段を維持している。
これは本当にすごいことなのだ。
もし3ヘクタールの新しい畑にもアスパラを植えたら、売上も上がることだろう。
でもスタッフさんはそうは思わない。
どこも大変だな、と思った。

ただ、赤木さんの意図はやっぱり別のところにあった。
北海道の農業の課題で、夏は自給率400%を超える生産量を誇るが、冬は積雪のため、こと農業については
生産量が上がらない。

雇用を維持する経営者としては、年間の作業を生み出すために四苦八苦する。
その解決策が、新しい3ヘクタールだ。
冬季にも仕事を生み出せるような農産物を、赤木さんはそこに植えたいのだ。

試作で、アスパラと同じ、ユリ科の、ゆり根に挑戦したという。

「お!」と思った。

りょくけんでも年末にゆり根を扱っているけれど、ニセコ町の農家さんは、年を重ね、引き際を探っている。

↑ニセコのゆりねの畑。

「白銀と月光っている品種があって、99%くらい白銀なんですが、月光のほうがうまいんですよ。
で、チュールイの生産者から株を譲ってもらったんです。」

「おお~。良いですね! …チュールイ?」
「…忠類(ちゅうるい)っていう場所があるんです。」
「なるほど。」

ただ、月光は土地を選ぶらしい。
忠類の他の産地では、中が傷んだり、うまくいかないのだが、赤木さんの赤井川村は合致する可能性があるのだそうだ。

「できたら、やらせてくださいよ。でも、ゆり根って6年かかりますよね?」
「株から作ろうとすると、6年なんですけど、それは譲ってもらったんで、4年でできます。」
「じゃあ、楽しみにしています!」

「あと、ゆきひかりっていうお米知ってますか?」

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