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スイートコーン とうもろこし 嶽きみ 恵味

嶽きみ。

青森県津軽地方の名峰 岩木山のすそ野に広がる、嶽高原。

地獄の”獄”に山かんむりで、嶽(たけ/だけ)と読む。
剣岳(つるぎだけ)などの”岳”の旧字体で、険しい山の意味だ。

標高400~500mで、様々な地理的条件で、その標高の割に冷え込みが強く、昼夜の気温差が大きい。

冬は雪に閉ざされ、春でも水が冷たいため、稲作ができず、定住するものはいなかった。

第二次世界大戦が終わった後の1948年。
現在のロシア・サハリン島に入植していた人たちが、旧ソ連による3年間の抑留を終え、故郷 青森に帰ってきた。
だが、住まいが無い。

GHQによって、土地改革が行われ、大地主は解体され、従属していた”小作人”だった人たちに土地は分け与えられた。
所有者が日本にいない場合も、土地の所有権は解体されたからだ。

そこで、16件の人たちが、嶽高原への入植を決めたのである。
文字通り、自分たちで森を切り開き、土地を開墾していった。

前述の通り、稲は育たない。

折しも、アメリカから近代的に改良されたスイートコーン(=とうもろこし)、ハニーバンダムが導入されたころであり、
1件の農家が試しに植えてみたところ、なかなかの出来栄えだった。

何年か継続した後、他の仲間にも波及し、まずは県内で評価が高まった。

嶽高原で育った”きみ”(=津軽方言できび=とうもろこしのこと)だから、”嶽きみ”と呼ばれ、産地ブランドとして認知されるようになった。

2008年には、地域団体商標に登録され、自他とも認める産地ブランドになったのである。

私どもがお願いしている佐藤さんは、入植地である村の隣村在住。
昔は酪農に従事し、牛を飼っていたそうだ。
農業に転換し、いちごなどの栽培も経験した後、新規にとうもろこし栽培を始めた。
嶽の過酷な環境に対応する品種をいくつか栽培し、現在は”恵味”に落ち着いている。
肉厚で、フルーティな甘さがある、佐藤さんの嶽きみは抜群の安定感がある。

日進月歩であるとうもろこしの品種業界。
2022年度は少しドルチェドリームと言うバイカラー品種(黄色と白の粒が混ざる品種)も植えているそうで、それはそれで楽しみだ。

今のところ、梅雨が長引いたため(関東が梅雨明け宣言後も、雨が続いた)、少し遅れ気味で、8月10日くらいになる予定。

毎年、大人気のとうもろこしなので、今期はご予約販売も実施中。

■【ご予約】嶽きみ(とうもろこし) 青森県産 8本 3780円(税込)
https://www.shop-ryokuken.com/SHOP/34716.html

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