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子噺 社長日記

空も飛べるはず2。

パラグライダーは、実は学生の時に、一度だけ、経験したことがある(それこそ、今の妻と…)。
ただ、その際は、200m滑空とかではなく、丘の上を走って飛ぶだけだった。

目の前にある、それは、あれとはちょっと違う。

ー何も考えないことにした。

ヘルメットをかぶり、手袋をつけ、用意された大きなリュックサックを背負う。

「このリュックが座席のようになりますから。」

カチャカチャとベルトや帷子を接続し、後ろからパラグライダー、パイロット、リュック、私となり、準備が整った。

後は風待ち。

だったが、アゲンストの風が普通に吹いており、「じゃあ、行きましょう。お父さん、駆け出してください。」と指示が下り、私は崖へと走り出した。

私の記憶では、もっと長い距離を走ったと思ったが、3~4歩走っただけで、十分な風とGを受け、私とパイロットの方は空へと浮き上がった。

この浮上感ったら、無い。

思わず、「お!すげえ!」と叫んでいた。

「いやあ、お父さんが一生懸命走ってくださったおかげで、順調に上がりましたよ~」
パイロットの方が、とても穏やかに話しかけてくださった。

風を体いっぱいに受け、ああ、飛ぶってこういう感じなんだと強く思った。

「あそこにトンビが見えますね。翼をとめてどんどん上がってます。今、このあたりは上昇気流でいっぱいです。どんどん上がっていきますよ。」

飛行開始当初こそ、その浮上感や、絶景、驚いている家族を見て、高揚感があったのだが、ふと気づくと、それ以上に気持ちが悪いことに気づいた。

ー酔ってる…。

私は三半規管が弱い。
車にも酔うし、船にも酔う。

標高が突然上がったからなのか、この、実に滑らかな旋回飛行が原因なのか、明らかに胃からこみ上げるものがあった。

ー早く降りたい。。。あの、はるか向こうに見える地面に。。。

気持ち良いのに、気持ち悪い。
楽しいのに、なんだか…。

8分ほどの飛行が異常に長く感じてしまった。

「じゃあ、あのあたりに着陸します。足で着こうとしないで、真っすぐ前に上げて、しりもちをつくように着陸してください~。」

お尻が芝生の上に着き、立ち上がって足が地面に着く。
この安心感ったら、無い。

空を飛ぶのも楽しいけれど、地面って嬉しい。

ヘルメットや装着物を外し、パイロットの方は、再びバンに乗って、上へ。

「お父様、ちょっと長くお待たせしてしまいますけど、ゆっくりしててくださいね。上に着くまでにまた30分くらいはかかるんで。」

パイロットは1名。
ピストン運動で、わが家族6名を空の旅へと連れていく。

「あ。今からまたあそこに上がって、また飛んで、また戻ってを、6回繰り返すんですか。そうか。これは大変ですね。」

「いやあ、楽しいですよ。では行ってきます!」

上に上がるのに3~40分。
飛行準備や飛行時間が10~15分。

なるほど、私は、この広々とした芝生の上で、あと1時間×5人=5時間、待機するわけか。。。

ノートパソコンは持ってこなかった。
日差しが強く、スマートフォンの画面が良く見えない。

そして乗り物酔いでふらふら。

芝生の上で大の字になって休むことにした。
逆に言えば、こんな貴重な時間、普段はなかなかない。
最高の贅沢ではないか。

風が気持ち良い。

が、日差しも強い。
まさしく刺すかのように…。

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