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ポンカン みかん 愛媛明浜

明浜の若手農家さんたちが作るみかん、ポンカン!

高速道路を降り、しばらく進み、トンネルを抜けると、見たことのある景色に変わった。
私が想定していたよりもかなり早く明浜の領域に入ったようだ。

初めて来た時はもう少し時間がかかった気がする(後で分かったのだけれど、前回訪問時は、ずっと手前でインターを降りていたようだ)。

あ、そういえば…と思ったのはその後。
くねくねと曲がる明浜のいろは坂が待っていた。
自分で運転していてもなんだか酔ってしまう道だ。

愛媛県 県道45号、宇和明浜線の始まりに、片岡さんたちの拠点がある。

何回かカーブを曲がり切って、海岸沿いに辿り着いた。
そのほど近くに、オレンジハウス10という、古民家を改造した片岡さんたちの事務所 兼 ゲストハウスがある。

明浜には宿泊施設が少ないので、何とかしたい、とデザインを勉強していた片岡さんと、建設業に携わっていたリーダーの片岡さんが発起して改良した。

中庭も、日本傘を置いて、風情がある。
もみじと南天が植えてあるので、季節の時はきれいだろう。

外観は古民家のままだが、内部は近代化され、おしゃれな部屋がそろっている。
前回よりも、なんだかグレードアップしている…!

「北陸で評判の民宿とかも訪ねてみて、取り入れられるところは僕らでも取り入れてみました。」と私を迎え入れてくれたのは、若手農家グループの事務を一人でこなしている崎山さん。

「寄せ書きを置いておいたところにも、ドライフラワーを飾ってみました。」

やけに素敵な、しゃれたドライフラワーのアレンジメントがあって、目を見張った。

グループには、崎山さんとリーダーの片岡セさん、栽培リーダーの片岡マさんがいて、30歳になったばかりの宇都宮さんと40歳になったばかりの上甲さんの5人が主要メンバーとなっている。
なんと、あと2名ほど加わったようだが、栽培リーダーの片岡マさんは、あまり認めていないようだ。

少し近況を報告し合った後、さっそく、園地に向かった。

「ちょっと周りの関係で着色が悪いところで、タイベックを敷いてある畑です。まずそこに行きましょう。」

軽自動車に、片岡さんと崎山さんと三人で乗り込み、畑へ上がった。
山の斜面だ。

「うわあ…」

タイベックとは、白いビニールシートのこと。
太陽の光を反射して、果実の着色を進める役割と、雨などで余計な水分が入らないように制限する役割と、雑草が生えないようにする役割と3つの効果が見込める農業資材だ。

光が反射するので、みかんのオレンジがキラキラして美しく、たわわに実ったみかんが、やっぱりなんだか良い。
豊穣の証と言うのだろうか。

気持ちが盛り上がった。

明浜らしく、山の斜面の畑なので、石垣の上に登って見渡すと、先ほどの俵津の海岸も見えるし、ぎゅっと集中する住宅地域も見える。

「これ、食べてみてください。」

時期的に、極早生が終わり、早生品種の宮川の収穫も終わったところ。

「南柑20号ですね。」
「はい、中生に入りました。」
「うん、美味しいですね、糖度も12度ちゃんとあります。」
「良かった、ユーヨーカの先端のものを渡しましたから。」とちょっと謙遜する片岡さん。

ユーヨーカは、”有葉果”と書き、直花果と違い、品質の優れた果実になりやすい。
直花果は、大きくなる前に生理落果しやすい。

片岡さんとしては、お客さんである私に、一番良い果実を選んで渡してくださったということだ。
でも、今年のみかんは、総じて美味しい。
南柑20号も、本格的に収穫が始まるころまでに、もう少し糖度が乗り、酸味が落ちて来るので、もっと美味しくなる。

元の道に戻ると、倉庫 兼 選果場があり、新メンバーとゲストハウスを利用して手伝いに来てくださっているという女性にお会いした。
お二人ともニコニコしているのが印象的だった。

倉庫の脇には、ポンカンが植えてあり、これまた盛り上がった。
12月でも、もう色づきが良い方のポンカンは、太田という品種。
早生系だ。

一本の道を隔ててあるもう一つのポンカン畑は”薩州”と”吉田”。

ポンカンの本来の味が楽しめるのは”吉田”で、高い糖度と香りが素晴らしい。
ただ、太田も、糖度は一定量低いのだけれど、早い時期から楽しめるのと、酸味が抜けてくると、十分に美味しい。

数週間、収穫時期が違うだけだけれど、色づきが明らかに違うのが面白い。

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