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かがやき カラマンダリン せとか デコポン 中島

せとか、かがやき、カラマンダリン。

せとかは、国の機関である農研機構が1984年~2001年にかけて育種した柑橘。
清見とアンコールにかけあわせた柑橘に、マーコットオレンジをかけあわせたもので、肌が美しく、糖度もあって、つるんとした食感があり、手で皮が剥け、今、求められている柑橘だ。

ただ、肌が弱く、ビニールハウスの中で育てることが多い。
加温することで年内の収穫もできるし、年明けの収穫も可能。
露地栽培にすると、2月下旬くらいから収穫できるようになる。

だが、露地の場合は、袋掛けする必要がある。
靴下のような生地の”サンテ”というものを2回かける手法が愛媛では確立している。

真夏は、強い日差しで日焼け果が増えるのを防ぐため、白いサンテを掛ける。
10月ごろに外し、今度は黒いサンテを掛ける。
この黒いサンテをかけないと、色が少し抜けてしまい、商品価値が落ちてしまう。
また、写真の通り、見つけづらくなるので、鳥に食べられない。

「この黒いサンテをしないと、色あせが出るんですわ。」
「一玉、一玉掛けるんですか?」
「はい。」
「でも、ハウスよりも露地のほうが味が濃いですよ。」

アンテナがピッと立った。

ハウスのせとかはすでに販売している。
ちょうど3月中旬に終了するので、露地とリレーができる。
美味しいならなおさら期待できる。

山の上から北の海を見ると、もう一つ港があり、フェリーが止まっていた。

「あそこにもフェリーがあるんですね。」
「ええ、”西中港”言いましてね。わしら小さい時には広島まで便があったんですが、今は、中島の他の島を行く便だけです。」

朝、少し苦労したフェリーは、他にも手段があったのかも、と頭をかすめた。

せとかから少し奥に行くと、かがやきがある。
かがやきは、清見タンゴールの枝変わり。
清見は、食感や風味、香りなどが、まさにみかんとオレンジの間。
かがやきは、清見よりもやや浅い色で、山吹色が美しい柑橘だ。

石丸さんのかがやきは、山の上の畑が主戦場だが、平地にもあった。

「カラも近くにあるから見ていきますか?」

わきの道から少し進むと、カラマンダリンの畑があった。
カラマンダリンは、熟期が遅いのと、酸抜けが悪い柑橘で、4月下旬から5月までが収穫期となり、逆に貴重になる。

その時期には多くの中晩柑類が終了しており、手で皮が剥ける柑橘が無いからだ。

「じゃあ、少し南の道を通って、今日来た港に行きましょうか。」

中島の海沿いを一周する幹線道路に再び戻り、軽トラックを進めた。

「ところで、デコポンはやってないんですね。」
「あれは、水が必要なんです。」

デコポンこと不知火は、糖度も高いのだが、酸度も極めて高い。
その酸度を落とすために、水を必要とする。
降水が少なく、地下水が見込めない島には不向きの中晩柑らしい。

「あ、あそこですわ。」

濃い色に見える島の影二つに挟まれた二つ山の島。
二つに分かれているようにも見えるが、平野部でつながっていて、一つの島である。

「なるほど、だから”ひょうたん島”みたいだ、って言われていたのか。」

人気タレントがテレビ番組で、無人島サバイバルに挑戦する、ダッシュ島である。

「あっちの島は広島で、こっちは山口ですね。もう少し晴れていると、周防大島が見えますわい。」

軍艦らしきものも見えてくる。

「あれは自衛隊の掃海艇、機雷の回収とかする船ですね。呉が近いんで。」

海は広く、つながっている。

なんだかおもしろい。

港に着き、石丸さんと別れた。

フェリーに乗り、再び松山に向かい、空港から飛行機に乗った。

ジェットスター社は、システム不良があり、全便止まっていることを知り、危なかった。
羽田空港は羽田空港で、滑走路が制限されており、混雑しているのか、着陸してから30分ほど飛行機の中だった。

なぜ急いでいたかと言えば、、、保育園に愚息を迎えに行かなくてはいけなかったからだ。

保育園に電話をし、迎えが遅れることを伝えた。

さ、もうひと踏ん張り。

長い一日だった。

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