雨が降ったり、強風が吹いたり、急に暑くなったり。
春は不安定な季節だ。
ただ、日本人は、一般的に春が好きだ。
春~とつけばなんでも好きなんじゃないか?と思ってしまうくらい。
春キャベツは、その典型的な例かもしれない。
春の暖かくなる頃に育つ春キャベツは、ふわっと生長するので、やわらかいけれど、巻きが弱い。
やわらかいので、サラダに向き、甘みが強い。
ーと言われるけれど、甘みについては、冬のキャベツの方が絶対強い。
また、巻きが弱いので、いわゆる”歩留まり”が悪い。
お惣菜などにする場合、重量がなかなか取れないのだ。
また、不安定な気候に生長が左右されるので、なんというか、野菜の形が左右でそろわず、いびつな形になる。
外食産業では、だんだんとそのことが周知されてきたのか、春でも、春品種のキャベツを使わないところも増えてきた。
お好み焼き屋さんなどは、その典型ではなかろうか。
もっとも、その場合は、”春キャベツたっぷりのお好み焼き”というタイトルも使っていないけれど…。
りょくけん松屋銀座店の厨房に入っていると、その春キャベツの人気ぶりと、だだっこぶりを否が応でも感じてしまう。
切っても切ってもなかなか既定の4.5kgに達しないし、正直、傷みも多いので、そこをトリミングしてカットしていくのも大変。
そして、なんだか太い軸が多く、芯以外にも芯のような部分が多いのも、私を悩ませる。
春。
人気はあるけれど、なかなか悩ましい時期なんである。