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葛藤を超える ~藤田さんのみかん~

 高速道路の南関インターを降りてすぐ。細い横道に入っていくと、藤田さんのご自宅 兼 選果場 兼 倉庫がある。

 りょくけん通販の顔でもあった井上さんから紹介を受けた上内(かみうち)みかんの名人の一人で、その風貌はまるで仙人のような藤田さん。一昨年から息子さんも家に戻り、栽培を手伝う。
 

 畑はご自宅のすぐ上の、山の上にある。主に3か所に分かれており、いずれも岩盤の上に立つ畑で、きわめてやせた土地だ。特に、一番上の標高の高い場所は、車で行くのも難しい場所で、ガリガリのやせた場所だ。開墾した際には、掘っても掘っても岩盤で、それを砕きながらみかんの樹を植えたのだと言う。
 

 藤田さんのみかんに大玉は存在しない。

 土地がやせているうえに、肥料を抑えているのと、極限まで乾燥状態を作るからだ。ただ、それが、みかんの糖度をあげる秘訣。
一方で、水分をほぼ与えないので、どうしても小玉になってしまう。それでも、内袋が薄く、甘さの
濃いみかんに仕上がる。品種は、興津のみ。早生みかんの横綱と言える伝統の品種で、新しい品種には目もくれない。

 ご紹介を受けた時、ひとつの葛藤はあった。

「藤田さんは除草剤を使われるんですよね?」

 それまで柔和だった藤田さんの顔がきりりと引き締まった。

「糖度をあげる時に、乾燥状態をつくるのがとにかく大事だけん。徹底的に草を生やさないようにしとる。除草剤も、依然と変わって、安全なものが増えているから、まず心配ない。」と藤田さん。 
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 ―それは知っている。

 りょくけんが立ち上がった30年前と違い、除草剤も進化しており、りょくけん会長だった永田 照喜治が言った「除草剤は枯葉剤。ダイオキシンと同じ仲間ですよ。」というような、極端なことは、今は無い。微生物の研究が進み、葉にあるときはその葉を枯らすが、土に触れると二酸化炭素を放出
して無くなる、そんな夢のような除草”剤”が主流になり、みかんほどの”樹”であればまず害はないだろう。

 とはいえ、「原則、除草剤は使わない」は会社のルールだったので、正直抵抗があった。

 が、藤田さんのみかんを食べて、一転。なるほど小玉だが、本当に甘くて濃くて美味しい。内袋は極めて薄く、とろけるよう。

 自分が知る、ザ・りょくけんみかん だった。

 上司に聞くと、「シャッポに上るにはいくつかの方法がある。結果が良ければそれで良いじゃないか。」と説き伏せられた。

 そして藤田さんである。昨年初めてお会いしたが、その風貌は前述のとおり仙人のよう。

 山の上のみかん畑で、玄界灘をバックに写真をとると、本当に雲の上の人のようだった。物腰が穏やかで、決して驕らない。
 3枚の畑はほぼ一人で管理し、施肥、剪定、摘果もすべて一人でやる。収穫や選果の時だけ、近所の親せきの方に応援を頼むのだとか。徐々に息子さんにその経験・技術を教えていくそうだが、一朝一夕に学べるものではなく、年々、体得していくものだろう。

 藤田さんが引退するのは、もう少し先になるかと思う。

 みかんの味も、人柄も、ぜひ一緒に食べてほしい。

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