りょくけん東京

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子噺 産地情報 社長日記

三浦半島の先っぽで5。

砂利道を降りて、すぐに左に曲がる道があるので、そこに入ってから、少し脇道餌槍を右に上っていく。
土手に生えていたフキを、「ほら、帽子だ!」と四男に渡すと、気に入ったようで、ぎゅっとつかんで離さない。
よくわからないのだが、上の3人も「青木さーん、僕も僕も」と寄ってたかってフキを頂きに行くから面白い。

コッケコッコ―!

青木さんは野菜の他、卵もとっている。
脇道から上に上がると、鶏舎があり、100羽ほどの鶏がいた。
檻にはなっているが、平飼いで、雄鶏もいるので、有精卵である。

茶色の卵の他、アローカナという、珍しい青い殻の卵を産む鶏も飼っている。
飼料は主に、青木農園の野菜。
キャベツの外葉、かぶや大根の葉をふんだんに与えているのだ。

「おお、それも食べるぞ。」と三男に促すと、フキの葉に鶏たちが寄ってきてついばんでいく。
それを見た長男や次男も、フキを鶏たちに次々と差し出す。

四男だけは、怖かったのか、フキをぎゅっと握りしめたまま、遠巻きにしてその様子をじっと見ているのだった。

すると、青木さんが更なる草を引っこ抜いてきてくれた。
「イタドリですかね??」
「う~ん、草だな。まあ雑草。」

青木さんが息子たちに渡して、息子たちが鶏舎に、草の先を突っ込むと、これがまた、ついばむついばむ。
「この草がうまいらしいんだよ。」

どのくらい、餌付けしていたのだろう?

「(茅ケ崎で)じいじが待ってるから、行くぞ。」と何度となく促したが、なかなか言うことをきかない。

よほど餌やりが楽しかったのだろう。

いい加減えさをあげたところで、青木さんも仕事を思い出したのか「俺も、にんじんの草取りをしなきゃだから、そろそろ行きな。」と促してくれた。

「青木さん、ありがとうございました~」とお礼を言って、見送った。
今度は背を向けたまま片手をあげて「じゃあなー。」と手を振る青木さん。

まったく曲がっていない背中に、なんとなく寂しさを感じてしまった。

鶏舎を後にして再び砂利道を上がっていくと、元の道に戻る。
見上げると、その道を、補助車に寄っかかりながらも、ゆっくりと歩く方が見えた。

「あーいたいた!」

あ、もしかして。

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