岐阜の陽豊柿に興味を持ったが、やみくもに探すわけにもいかない。
岐阜の知人がいないか頭を巡らせたところ、一人思いついた。
当時、私は名古屋の野菜ソムリエ協会のベジタブル&フルーツマイスターの中級の研修を受講していた。
その同期生に、岐阜の農家さんがいたのだ。
しかも、青年部会みたいなものも組織している同年代の方。
名刺の交換はしておくものだ、と思った。
電話してみたら「調べてみます。」と言われ、すぐに返事が来た。
「岐阜の西美濃地区に一大産地があります。他に、本巣の軽海で、鉢植えで育てている方もいるようです。あとは自分で探してみてください。」
この、数行の文章を頼りに、私は、岐阜に向かった。
新幹線で名古屋に向かい、レンタカーを借りて、西美濃に向かった。
計画は、午前中に西美濃を周って話を聞いて、ダメだったら、本巣のほうまで行く。
果たして、西美濃に着くと、山間に多くの柿畑があった。
年が明けて2月のころだったので、果実は一切なっていない。
数少ない人影を見つけて、ヒアリングして、ようやく、「おお、栽培しとるよ。」という人に出会った。
「ついこないだ、最後の一個を食べたところで、まあ、やわらかいけれど、美味しかったよ。」
「本当ですか!?」
本当に、年越しまで日持ちする柿なのだと聞き、いてもたってもいられない。
「今年、お取引きできたりしますか!?」