りょくけん東京

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テニス 社長日記

昔の事、今の事2。

ふっと、大学生の時のテニスの試合を思い出すことがある。
特に二つの試合。

私のベストゲームと、引退の時の試合だ。

ベストゲームは、麗澤大との団体戦、シングルスの2番手のゲーム。
午前中に行われたダブルスで3戦3敗。
午後のシングルス6戦も、みんな負けて、残っている試合は私だけだった。

プロ野球のヤクルトに、昔、加藤という左腕投手がいた。
フォームが独特で、カーブとストレートのみ。
ストレートは130㎞。
七割がカーブ。
打者は、カーブが来ると分かっても、打てない。
巨人ファンだったけれど、8回まで0点に抑えられて、ものすごく印象深いピッチャーだった。

そのピッチャーを参考に、スライスサーブを、当時、覚えた。
インチキでも良いので、というのは、同じフォームでは打てなかったので、加藤投手のように、低いところから打った。
ネットの一番低いところを通って、レシーバーの届かないところに逃げていくサーブだった。

※すごい時代だ。。。加藤投手の動画がありました↓ (左打者の岡崎が内角カーブに対して、あたる!と思ってよけています)
https://www.youtube.com/watch?v=2M_ykZU8K_Q

Wikipediaもあり。加藤投手に興味ある方は↓
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8A%A0%E8%97%A4%E5%8D%9A%E4%BA%BA

サーブは得意な方だった。
スピンとフラット、クイックサーブに、スライスが加わって、それらを駆使することで強豪相手でも、善戦できるようになっていた。

午前中のダブルスの一本目のサーブで、そのスライスサーブ。
経験上、初見の人にはまず返せない。
と思っていたら、ものの見事に対応され、ストレートをぶち抜かれた。
前衛は、一つ下の後輩だったけれど、部の中でも一番、上手だったのに。

「え?」

事前のウォームアップで見ていたのだろう、読まれていた。
フォームが明らかに違うので、読まれるのは当たり前。
ならば、とサイドではなくてセンターに打ったら、事前に動き出していたレシーバーは、戻れず、打ち返せなかった。
後輩にも、伝わったらしく、「ナイス!」と褒められた。

前述したように、結局、そのダブルスは負けていたのだけれど、完全に”成功体験”。

シングルスでは、めちゃくちゃ一本一本考えながら、プレイした。
サーブとサーブの間に時間をとって、さっきはスライスをこっちに打ったから、今度はこっちに打って、ここはセンターにクイックで一発エースをねらおう、など。
持っているネタを、フルに使った。

みんな試合が終わって、全部員が応援に来てくれていたころには、セットカウント1-1。
ゲームカウントは5-4で、僕のサービスゲーム。
40-30。
ここで、私は、賭けに出た。
相手のバックハンドにスピンサーブをコントロールして入れて、前に出るサーブアンドボレー。
そこまで一回も使ってなかった作戦だった(ボレーは下手だったからである)。

が、コントロールミスして、ほぼ真ん中に入ってしまい、「やべ、失敗…!」と前に走り出しながら、思った。
レシーブは、やや上の方、私の左肩よりも上に来て、苦手のバックハンドボレーを苦し紛れに放つと、後方、20㎝ほどアウトだった。

この時のポイント。
本当に、幾度となく、思い出す。

1.肩より上に上がって返ってきたレシーブはアウトだから見逃すのがセオリー(当時、知らなかった)
2.サーブのコースはセンターか、サイドか、ボディと言って真ん中が良い(当時、”ボディ”は知らなかった)。
3.相手は、サーブアンドボレーに来られたら、ボレーが得意だと勝手に思ってくれているので、十分プレッシャーになる。
=ボレーで返さなくても、攻めようと思ってネットに引っかかることもありうるし、アウトもありうる

つまり、真ん中=ボディに向かったサーブは、意外と相手にとっては打ちづらく、意表を突かれたサーブアンドボレーは十分に奇襲になっていて、レシーブは見逃せばアウトだった。

結局、この後、タイブレークに持ち込まれ、私は、6-4、3-6、6-7で負けた。
ダブルスパートナーだった後輩には、そのポイントについて試合後に指摘された。
「あそこまで粘り勝っていたので、そのままバックラインにとどまっていた方が良かった。」
なるほど、外から客観的にみると、そうなのか、と。

振り返ると、この時が、一番、頭も使ってプレイしていたし、強かった。

「新規事業につきっきりになって、本業が疎かになっている。」

外部からのアドバイスには、頭に来てしまったけれど、謙虚になって、今のフラット、スピン、クイック、スライスを駆使しようと思う。
たまに、サーブアンドボレーも…。