お茶農家の太田さんから烏龍茶のサンプルが送られてきた。
烏龍茶は、緑茶と紅茶の間。
半発酵のお茶と言われている。
茶葉は、収穫後、酸化がすぐに始まる。
この”酸化”のことを”発酵”と呼んでいる。
発酵は微生物によって起こされるものに対し、茶葉の場合、内包する酵素がカテキンなどを変質させていくので、本来的には、酸化。
太田さんの畑がある佐賀県嬉野では、紅茶が先行して生まれ、その甘みから、日本だけでなく、世界でも注目されるようになっている。
スリランカやインドの茶葉で作られる紅茶には強い渋みがあるのに対し、日本の紅茶には渋みが少なく、甘みが強いからだ。
烏龍茶の加工はやや難易度が高いらしく、完全発酵させる紅茶に比べて、加減が難しい。
お茶の調合も行う茶師でもある太田さんも研究を重ねている。
現在扱っている太田さんの烏龍茶は、やや紅茶に近い風味。
サンプルとして送られてきた烏龍茶は、茶葉の品種を変更し、”藤かおり”という茶葉のシングルオリジン。
ふじかおりは、”印雑”という紅茶用の茶葉と日本の緑茶向きの品種”やぶきた”を掛け合わせて生まれた茶葉。
静岡県の藤枝市で育種され、1996年に登録された品種。
紅茶のように、ジャスミンに似た花の香りがある。
通販スタッフで試飲してみたところ、なるほど、今のものよりも、かなり差別化され、烏龍茶にふさわしい味に仕上がっている。
中国茶を愛してやまないAさんも高く評価。
「萎凋香(いちょうか)っていうか花の香りがあって、良いですねっ」
太田さん曰く、まだ少し商品化は先になるようだけれど、お客様からどんな評価が得られるのか、楽しみだ。