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トマト 水耕栽培

水耕栽培を考える2。

水耕栽培とは、土耕栽培と相対する言葉で、いろいろあるが、極論で行くと、培地を持たず、水で育てる栽培方法だ。

離床(りどこ)と言って、土から離したところに、大きなプランタを柱で支え、そこに水を入れ、発泡スチロールなどで浮かせた種を敷き詰めて育てる。
最も身近なのは、糸三つ葉だろうか。
ひょろっとした、土のついていない根っこが見える三つ葉。
水耕栽培の典型的な例だろう。

レタスやベビーリーフも、同様の栽培方法が見られる。

↑ 水耕栽培のサラノバレタス。白いシートの下は水とチューブがある。

それが発展し、プランタにある程度、培地を入れて根っこを絡ませつつ、水を流す方法が生まれた。
パプリカやトマトで見られる。
培地はロックウールと言って、石綿のような、鉱物の繊維状のものを使う場合と、ココピートというヤシガラ、つまりココナッツの皮の繊維を使い場合がある。

↑ 土すら見えないパプリカの水耕栽培。

以前、お会いした和歌山のきゅうりの水耕栽培の農家さんに言われた言葉が気にかかる。

「水耕だから駄目だ、ではなくて、ちゃんとできてきたものを食べて判断してほしい。」

三ケ日のミニトマトも美味しかったし、豊橋のミニトマトも、実際、美味しい。

土耕栽培がきちんと実力が発揮できる時期は、土耕栽培が良い。
でも、そうじゃない時期。
つまりは、10~12月の、暑い時期に苗を育てなくてはいけない時に、ちゃんと味をのせるには、水耕がベターなのではないだろうか。

水耕栽培は、ちょっとした植物工場に近い。
こんな不安定な時期でも、安定した品質と、収穫量がある程度、確保できる。

毎年、寒冷地と暖地のトマトがつながるかつながらないか、と不安になるよりも、振り切って、偏見を拭い去り、一歩を踏み出すべきではなかろうか。

そう、バイアスを捨て、朝倉先輩に連絡した。

「昨年、少しいただいたミニトマトの生産者の方、ご紹介いただけませんか?」