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あきずき あきづき 和梨 秋月

南水梨が美味しい。

和梨には大きく分けて二種類ある。
幸水や豊水に代表される赤梨と、二十世紀に代表される青梨だ。
赤梨は甘みが強く、水分も多い。
青梨は酸味があり、関東よりも関西で人気がある。

関東の産地は、10月に入るとほぼ終了。
ただでさえ、最需要期である(=最も高値で取引される)お盆前に出荷しようと、ホルモン剤を投与して出荷を早める産地が多い。
幸水や豊水は、日持ちもさほど良くないので、なおさらだ。

この後は、新高梨(にいたかなし)があり、日持ちも良い大玉の和梨が有名だ。
ただ、少し風味に欠け、水分があまりない。

この、幸水&豊水と新高の間を埋めようと生まれたのが、秋月と南水だ。

秋月は国の機関である農研機構が育種したもの。
外観が美しく、大玉に育ち、糖度も高くて、日持ちも良い。
幸水などと同じような正統派の和梨だ。

ただ、私が思うに、ばらつきがある。
農家さんと少し話したら、外側になる実は美味しいのだけれど、後から収穫する、中側の下枝の果実は、あまり美味しくないのだという。

そこで、南水梨だ。

南信州で生まれた南水は、まず、糖度が高い。
日持ちも良く、冷蔵庫で保管すると秋月並の1か月ほど日持ちする。
弱点は、その糖度で、保管していくと、アルコール発酵したような独特の風味が出る。
それが好きだと言う人もいれば、美味しくないという方もいて、市場の評価は後者だった。

それが原因で、市場での価値が下がってしまった。

期待が大きかっただけに、樹を切って、栽培をあきらめる方もいたそうな。

今では、その発酵したような風味を出さない栽培方法がわかったようで、解決されつつある。
また、この時期の赤梨として、やっぱり有力だったので、再度、栽培が増えている。

りょくけんでは、長野県の飯田と、松川の二産地の南水を取り扱っており、毎年、好評を得ている。

私も食べたけれど、やっぱり美味しい。
和梨らしいシャキシャキした食感と、分かりやすい甘さ。
水分も申し分ない。

私が食べたものは糖度15度以上あった。

栽培技術が発達したのか、温暖化のためなのか、和梨の栽培北限地は北へ北へ移っており、今では、北海道でも和梨が収穫できる。
収穫時期も今からなので、長く和梨が楽しめるようになった。
でも、なんとなく、北部の産地の和梨は、風味が足りない。
やや味が淡白になるのだ。

南信州が生んだ赤梨、南水。
あと二週間くらい(10月中旬ごろまで)はお楽しみいただけるので、是非食べ納めに。

■南水梨 長野県産 約1kg(3玉前後、2023年は大玉傾向) 1296円(税込)
https://www.shop-ryokuken.com/SHOP/460720.html